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「私と日向くん、噂になってるんだってね?ナースちゃん達から聞いてびっくりよ」

「…違うんですか?」

「私は“幸子”じゃないから人のものに手は出さないし…

第一、日向くんは若くて食あたり起こしちゃいそうだもの」

それは、つまり…

「年下には興味はないから。はい、(検査)終わり♪」

“美人=高飛車”という偏見だらけの方程式が崩れ去り、残ったのはサバサバした姉御肌。

途端に勝手な親近感が生まれる。

でもその時のあたしは突然けたたましく脈打ち始めた胸の鼓動をうつむきながら手で押さえるのに必死だった。

それは不整脈とかじゃなくて前にも感じたことのある期待やちょっとの切なさを隠し味に加えたドキドキ感…

「入っていいー?」

そう言いながらも既にカーテンを開けちゃってる甲ちゃんは

「え!?発作?」

あたしの様子に気づき、慌てる。

「違っ!」

「…ね?だから場数踏んでない鈍ちんの年下には興味無いの」

椎名先生がしたり顔を浮かべながら呟く。
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