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プラム当日、少年は少し遅れて会場に到着した。

まだ始まって間もない会場は、様々な仮装をした学生達の熱気ですでに溢れかえっていた。

アニメやドラマのヒーローやヒロインの格好をした者もいれば、誰だか分からない着ぐるみもいる。

あれからジェイラに強引に誘われ、来てはみたものの 普段とさほど変わらない服装の彼は返って浮いてしまっている。

こんなんだったら、いつもみたいにジュリの話し相手をしていれば良かったと後悔しても既に後の祭りだ。

｢Ken, Do you like this dress？｣
(ケン、どう？このドレス)

背中越しに声を掛けられ、振り返る。

やはりジェイラだ。

淡い水色でレースやスパンコールが所々に散りばめられたそれは少し古臭いデザインに見えたが、まるで

｢…Queen Elizabeth？｣
(エリザベス１世か？)

｢Marie Antoinette！｣
(マリーアントワネットよ！)

女性が求めている言葉を瞬時に投げかけられる男なんて果たしているのだろうか。

父親はタラシだが、そういうことに関してはカリスマ性があるのかもしれないと ふと思う。