sEcrEt lovEr
重たい瞼を必死に開けると、あの兄弟の姿があった。

「こんなとこで寝てると風邪引くよ」

と兄。一方、弟は

「泣き寝入りなんて子供か失恋した乙女かよ?!」

ムカつく…!

言い返したいのに身体が重たい、頭がぼーっとする。

そして何より胸に違和感を感じる。

これはいよいよマズイかも。治らないと分かりつつも手で胸を押さえる。

「絹ちゃん?大丈夫?」

「…っ!」

兄が気がついてくれるが、痛みで声にならない。

「…まぢ?」

その兄とは対象に、突然の事態に貴の方は動揺を隠せないでいる。

普通はそうだよね… いきなりだとそりゃ逃げたくもなるよね。

ふと幼い頃の記憶が蘇る。
< 27 / 233 >

この作品をシェア

pagetop