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｢別に登下校一緒になんて頼んでないもん。最近は調子いいし一人で大丈夫です!!｣

そう。行きも帰りもアイツと一緒なことがこの家唯一のルール。

確かにもしもの時は助かるけれど、それ故 全て彼のタイミングや都合に合わせなくてはいけないのだ。

早起きしたところで低血圧なアイツが家を出るまでただただ暇を持て余す。

これが同居が始まって以来、毎朝のルーティン。

｢だめよ！将来の娘に何かあったらどうするの？あんたもいい加減着替えて来なさい！｣

｢いいわねー、ダンナ様が学校一のイケメンか～｣

また始まった、母達の許嫁(ｲｲﾅｽﾞｹ)トーク…

母、橘 織依(ﾀﾁﾊﾞﾅ ｵﾘｴ) そして隣の母、日向 悠耶(ﾋｭｳｶﾞ ﾕｳﾔ)は

この手の話が大好物で、子供ができた時から日の目を見ることがないであろう未来予想図を延々と描き続けている。

もちろん、あたし達はそんなのを間に受けるわけがない。

ただでさえウンザリな毎日なのに、更に事態が動いたのはそんなある朝のお隣の親子の会話。