sEcrEt lovEr
「「 ・・・・・・。 」」
何だろう、この水を打ったような静けさは。
まるで芸人さんが披露した渾身のネタが受け入れられなかったような…
「貴は“兄貴”て呼ぶし、悠耶さんも“あいつ”とかだし。でもカレンダーにもスーツケースにも『甲』て」
渋々、芸人さんの禁じ手・ネタ解説していると、兄から衝撃の一言が炸裂した。
「あれ?名前言ってなかったっけ?甲て字に非と文で『甲斐(カイ)』て言うんだ」
……… 絶句。
医師免許も見せてもらったばかりなのに痛恨のミス。
「コイツ、人生の半分以上がアメリカだったから自分の漢字すら書けなかったんだよ。
だからスーツケースも『甲』の字だけだったんだろ?未だに漢字苦手だもんな」
「劉兄、黙っててよ。絹ちゃんの呼びやすい呼び方なら何でもいいからね」
今更、引き返す勇気もない…。
「…こうちゃん」
「因みに悠耶の憧れの人の名前だったよな、“甲斐”て」
「お前… 一番気にしてること言うなよ」
今までずっと一人っ子だったからか、初めて出来た「兄妹(仮)」ていうのも悪くないかもと少しだけ思ってしまった。
あたしの新しい“家族”もまだまだ始動したばかり…
何だろう、この水を打ったような静けさは。
まるで芸人さんが披露した渾身のネタが受け入れられなかったような…
「貴は“兄貴”て呼ぶし、悠耶さんも“あいつ”とかだし。でもカレンダーにもスーツケースにも『甲』て」
渋々、芸人さんの禁じ手・ネタ解説していると、兄から衝撃の一言が炸裂した。
「あれ?名前言ってなかったっけ?甲て字に非と文で『甲斐(カイ)』て言うんだ」
……… 絶句。
医師免許も見せてもらったばかりなのに痛恨のミス。
「コイツ、人生の半分以上がアメリカだったから自分の漢字すら書けなかったんだよ。
だからスーツケースも『甲』の字だけだったんだろ?未だに漢字苦手だもんな」
「劉兄、黙っててよ。絹ちゃんの呼びやすい呼び方なら何でもいいからね」
今更、引き返す勇気もない…。
「…こうちゃん」
「因みに悠耶の憧れの人の名前だったよな、“甲斐”て」
「お前… 一番気にしてること言うなよ」
今までずっと一人っ子だったからか、初めて出来た「兄妹(仮)」ていうのも悪くないかもと少しだけ思ってしまった。
あたしの新しい“家族”もまだまだ始動したばかり…