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★疑惑と憎しみとわずかな光
悠耶さんとダンナさんは甲ちゃんが生まれてから彼の故郷であるアメリカに渡った。

まだ若い悠耶さんにとってそれは大きな決断でもあり、苦労の始まりだった。

ダンナさんには家族と呼べる人はお父さんしかいなかったが、

厳格な医師である彼は家を飛び出した息子を快く思わなかったし、

いつまで経っても悠耶さんを｢嫁｣として認めてはくれなかった。

そんな中、唯一の味方であるダンナさんの浮気が発覚。

精神的にも疲れきっていた悠耶さんは息子達を連れて帰国しようとしたけれど、

義父は家業を継がなかった息子の代わりに孫を差し出すことを要求。

勿論、悠耶さんは断った。

だけど子供ながらに状況を察した甲ちゃんが自ら残ることを決意。

家族がバラバラになっても、子供がそれぞれにつけば両親は悲しまなくて済む、

また自分が残ることで幼い弟に負担が掛からなくて済むと考えた末の結果だった。

それでも長期休暇の時は帰国をして、母と弟と過ごしていた。

祖父との生活は大変だけれど、少しの期間だけでも帰国さえすれば元気になるからと。

しかしながら、全ての元凶の父をけして彼らは許していない。
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