sEcrEt lovEr
ラジオからは定番のアップチューンが流れる。
ポスターのこと、パパさんのこと、病気のこと…
ここ数日だけでも色々なことが起こりすぎて夏休みのことなんてすっかり頭から抜け落ちていた。
いや、そもそもあたしに“夏休み”なんてないのだけれど…
部屋の明かり、そしてラジオの電源を落とす。
この生活はいつまで続くんだろう…
ママのラジオはあと何回聴けるんだろう…
暗闇では悪いことばかりが頭をよぎり、せっかくの眠気さえ覚めてしまう。
部屋を抜け出し、リビングに降りていく。
しかし いつもの賑やかな部屋には誰の姿もない。
時計は間もなく二十四時を刻もうとしていた。
そりゃ、みんな寝るよね。
暫くソファーに腰掛けていると、ドアが開く。
「絹!? 座敷わらしかと思ったよ!」
なんとも失礼すぎる声の主はやはり長男だ。
「まだ寝ないの?」
お風呂上がりだったらしく、タオルで頭をわしゃわしゃしながら尋ねる甲ちゃん。
あのね…と言いかけたところで
「こんな時間まで起きてると、お肌によくないよ?」
自分で聞いておいて、それは酷いんじゃない?
ポスターのこと、パパさんのこと、病気のこと…
ここ数日だけでも色々なことが起こりすぎて夏休みのことなんてすっかり頭から抜け落ちていた。
いや、そもそもあたしに“夏休み”なんてないのだけれど…
部屋の明かり、そしてラジオの電源を落とす。
この生活はいつまで続くんだろう…
ママのラジオはあと何回聴けるんだろう…
暗闇では悪いことばかりが頭をよぎり、せっかくの眠気さえ覚めてしまう。
部屋を抜け出し、リビングに降りていく。
しかし いつもの賑やかな部屋には誰の姿もない。
時計は間もなく二十四時を刻もうとしていた。
そりゃ、みんな寝るよね。
暫くソファーに腰掛けていると、ドアが開く。
「絹!? 座敷わらしかと思ったよ!」
なんとも失礼すぎる声の主はやはり長男だ。
「まだ寝ないの?」
お風呂上がりだったらしく、タオルで頭をわしゃわしゃしながら尋ねる甲ちゃん。
あのね…と言いかけたところで
「こんな時間まで起きてると、お肌によくないよ?」
自分で聞いておいて、それは酷いんじゃない?