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貴の部屋を覗くと、何やら机に向かって勉強中のようだ。

「貴、勉強中だった…?」

ん?と振り返る貴。そんな弟に対して兄は

「今夜はお前、ソファーで寝て」

ベッドにこれでもかと消臭スプレーを吹きかけ始めた。

「はぁ?何勝手に決めてんだよ?つーか、ここ俺の部屋なんだけど」

もっともな言い分である。

でもそれで折れないのが兄。

「絹が発作の不安で寝付けないから仕方ないでしょー?」

それには口出しできないのか、黙る弟。

その間もベッドメイキングは着々と進んでいく。

「リビングのソファー、一泊千円でどうだ?」

ここで兄からまさかの封じ手!

「…いやらしい事に使うなよ」

勝者、長男!試合終了を告げるゴングが

…じゃなくて!!千円て安くないかな。

「男クサイかもしれないけど、ゆっくり休めよ」

「うん…」

しかし、あろうことか敷布団はすっかり湿っていた…
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