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「絹ちゃん、学校じゃなかったの?」

診察室に入ると、驚いた表情の神谷先生が待っていた。

「実は昨夜…」

と言いかけた所で、甲ちゃんが話していたカルテのことを思い出す。

「…先生、甲ちゃ… 日向センセイに会いました?」

「ああ。知り合いなんだってね」

「噂の同居人の一人です」

そこまで話すと神谷先生はニコリと微笑んで話を続けた。

「前に僕が陵南の凄腕のニューフェイスの話したの覚えてる?」

そういえば、そんな話を聞いてたっけ。

「それが、彼なんだよ」

「…え?!」

ウソでしょ?

想像してた人と全く違うどころか、それが同居人だなんて。

普段の甲ちゃんからは全く結びつかない…

「ラッキーだね、天才ドクターと一つ屋根の下だなんて。彼は何か言ってた?」

「昨日、陵南大に行ったんです。それで…」

夏休み中に手を打った方がいいと言われたこと、昨夜発作が出て応急処置してもらったことを伝えた。
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