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「…そうだったんだね。呼吸は今は大丈夫かな?」

「はい」

神谷先生は聴診器を取り出し、胸の音を聞く。

そしてそれを置くと静かに話を始めた。

「絹ちゃん、甲斐くんに仕事が終わったら寄るように伝えてくれるかな?」

「はぁ…」

何だろう、話の流れからしてあたしの身体のことだよね?

聞きたいけど真実を受け入れるのが怖い…

病院の帰り道、神谷先生の伝言をメールで送信した。

今日はあの兄弟に驚かされてばかりだ…

家への道のりも足取りがどこか重たい。

帰りたくない… だけど。

一人で出歩ける今は“最後のチャンス”かもしれない…!

あたしはあの時こっそり渡された紙切れを手にそのまま家とは逆方向に歩き始めた。
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