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辿りついた先は某有名ホテルだった。

恐る恐る足を踏み入れる。

外からの光が差し込む明るく広々としたロビーには多国籍のお客さんが集い、

彼らを凜とした態度でもてなす従業員達の姿があった。

床はもしかして大理石ってヤツかも?

部屋はきっと大きな窓から絶景が見渡せて、見たことのない高級なアメニティが付いていて…

経験したことがないのに想像だけがどんどん膨らむ。

何をとっても高級感が漂っていて、間違いなくセレブしか来ちゃいけない所…

普段着のまま、しかも勢いで来てしまった自分が急に恥ずかしくなる。

でもそんなこと言ってられない!!

思い切ってフロントで尋ねてみることにした。

が、いくら尋ねても『プライバシーで部屋を教えることはできない』の一点張り。

道理は通ってるけど!だけどそれじゃあ来た意味がない。

「橘絹香がロビーで待っていると伝え…」

その時、エントランスの方から見覚えのある人が歩いてくるのが見えた。

「…甲ちゃんパパ!」

昨夜発作を起こしたことも忘れ、思わず駆けていく。

「Angel!会イニ来テクレタ デスカ?」

パパさんに熱い抱擁をされる。

挨拶とは分かっていても、純日本人のあたしには人前でこれは恥ずかしい…
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