sEcrEt lovEr
自分でまいた種とは言え、余計に帰りにくくなった…

しかし甲ちゃんがパパさんにタクシーで送るよう伝えたらしく、敢え無く強制送還となった。

発作を起こした翌日に学校を休んでパパさんに会いに行ったなんて、さすがの甲ちゃんも怒るよね…

あれだけ覚悟もしてたのに、いざ実行に移すと事の重大さに押しつぶされそうになる。

だけど、それも分かっていたことじゃない?

こんなこともないと行けなかったわけだし、結果的には良かったんだから!

考えが堂々巡りのまま、タクシーは虚しくも自宅に到着してしまった。

玄関の扉を開けると、機嫌の悪い二人が立っていた。

「おかえり…」

貴の威圧感が、いつもの五倍増しくらいに感じる…

「何か話すことあるよね?」

甲ちゃんも目が笑っていない…

貴は病院に行ったきり帰って来ないあたしを心配し、“病院勤め”の兄に連絡をする。

そして甲ちゃんから神谷先生に電話が行き… からの、最悪の事態を確認するためのパパコール。

で、今に至るというわけだ。

“生き地獄”てこういうことかも…

リビングに移ると早速、事情聴取が始まった。
< 99 / 233 >

この作品をシェア

pagetop