社内恋愛なんて
 部長の気持ちと一緒だとしたら、私のことを押しに弱い軽い女だとは思っていない気がする。


そうだ、部長はそんな風に思う人じゃない。


私のことをしっかりと見てくれている。


私の短所である、臆病でネガティブなところもきっと分かってる。


分かってて、好きって言ってくれてるんだ。


 ああ、どうしよう。


胸の奥が温かくて、好きな気持ちがどんどん膨らんでいってる。


部長を知れば知るほど、一緒にいればいるほど、大好きになる。


 好きだって言いたい。


私も部長のことが好きなんですって伝えたい。


部長の横顔を潤む瞳で見つめる。部長、大好きです。


心の中で呟いた。


たまに行く私の好きなお店で食事をした。


部長は運転するから当然お酒は飲まず。


私もお酒は強くないから飲まなかった。


また記憶がなくなっても困るし。


 なんだかデートみたいで、少し緊張した。


でも、それ以上に楽しくて、部長と二人で食事できることが嬉しかった。


支払いは、部長が全て払ってくれた。私も払います! と言ったのだけれど、頑なに拒まれた。


こういう場で私がお金を出すことは逆に失礼かもしれないと思って、素直にご馳走になることにした。
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