社内恋愛なんて
「すき……です……」


　背中にしがみつきながら、思わず口にしてしまった言葉。


自分で発しておきながら、驚いて固まってしまう。


部長も驚いてキスを止め私を見つめた。


しまったという顔の私を見て、ポロリと出た言葉が本音であるということを知る。


「ごめんなさいっ！ 私……っ！」


　慌てて部長を押し退け、車から出ようとドアに手をかける。


すると、ぐいと腕を掴み部長の胸に引き寄せられた。


「好きだと言われて、引き下がれるわけがないだろう」


　顎を指先で持ち上げられ、覆いかぶさるように深いキスが落とされた。


「ふっ…うんっ」


　身体をきつく抱きしめられ、苦しいほど熱いキスがそそがれる。


普段の姿からは想像がつかないほど情熱的な部長の行為にクラクラする。


　好きだって言ってしまった……。


　言い訳も否定もできないほど、部長は情熱的に私を求めた。


痺れるような熱いキスが続く。


「もう止められない。家に上がってもいいか？」


　それは、つまり……。


熱のこもった瞳で苦しそうに訴えかける部長の顔は、とても色っぽかった。
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