社内恋愛なんて
「お~い、みあ!」
遠くから自分を呼ぶ声がしてハッと我に返る。
入口のドアを開けてオフィスの中に入ってきた人物は、私が自分に気が付いたことを知ると大きく手を振った。
狩倉 守(かりくら まもる)、私の同期で営業部のエースだ。
人懐っこい性格に爽やかなイケメンで、彼のファンはとても多い。
人事や総務の机が並んだオフィスを横切りながらこちらに向かってくる間に、知り合いを見つけては手を振り挨拶しながら進んでくる。
だから、彼が私に向かって大きく手を振って近付いてきても、誰も驚いたりはしない。
彼があちこち挨拶しながらようやくオフィスの片隅にいた私の所に辿り着いた時、私はあからさまに嫌な表情をした。
「会社で下の名前で呼ぶのやめてよ」
「ああ、ごめん、ごめん。でもみあだって俺のこと守って呼んでるだろ」
会った途端に怒られて、守は分が悪そうにぽりぽりとこめかみを掻いた。
遠くから自分を呼ぶ声がしてハッと我に返る。
入口のドアを開けてオフィスの中に入ってきた人物は、私が自分に気が付いたことを知ると大きく手を振った。
狩倉 守(かりくら まもる)、私の同期で営業部のエースだ。
人懐っこい性格に爽やかなイケメンで、彼のファンはとても多い。
人事や総務の机が並んだオフィスを横切りながらこちらに向かってくる間に、知り合いを見つけては手を振り挨拶しながら進んでくる。
だから、彼が私に向かって大きく手を振って近付いてきても、誰も驚いたりはしない。
彼があちこち挨拶しながらようやくオフィスの片隅にいた私の所に辿り着いた時、私はあからさまに嫌な表情をした。
「会社で下の名前で呼ぶのやめてよ」
「ああ、ごめん、ごめん。でもみあだって俺のこと守って呼んでるだろ」
会った途端に怒られて、守は分が悪そうにぽりぽりとこめかみを掻いた。