社内恋愛なんて
「そもそも、最初から百パーセント信用できる人間を見極めるのって不可能じゃないですか?
というかまず、百パーセント信用できる人間なんていないでしょう」
瀬戸内さんは呆れたような顔をして言った。
彼女にとっては当たり前のことで、心から信用できなくてぐずぐず悩んでいる私が不思議なようだ。
「その通りだと思うんですけど、私が以前付き合っていた人は浮気なんてするような人じゃないって周りからも言われている人だったんです。
私も当然、絶対にそんなことしないって信じていました。
だからこそ、部長は絶対にそんなことしないって思ってても、怖いんです。
何を信じたらいいのか。
自分も他人の目も、信じられなくて……」
手をぎゅっと握りしめて俯いて話す私に、瀬戸内さんは少し考え込むように沈黙して口を開いた。
「分かりますよ、気持ちは。
でも、本当に好きだったら、怖いとか心から信用できないとか、傷付きたくないとか、そんなこと吹き飛んじゃって、気が付いたら相手の胸に飛び込んでいるっていうのが恋じゃないですか?」
というかまず、百パーセント信用できる人間なんていないでしょう」
瀬戸内さんは呆れたような顔をして言った。
彼女にとっては当たり前のことで、心から信用できなくてぐずぐず悩んでいる私が不思議なようだ。
「その通りだと思うんですけど、私が以前付き合っていた人は浮気なんてするような人じゃないって周りからも言われている人だったんです。
私も当然、絶対にそんなことしないって信じていました。
だからこそ、部長は絶対にそんなことしないって思ってても、怖いんです。
何を信じたらいいのか。
自分も他人の目も、信じられなくて……」
手をぎゅっと握りしめて俯いて話す私に、瀬戸内さんは少し考え込むように沈黙して口を開いた。
「分かりますよ、気持ちは。
でも、本当に好きだったら、怖いとか心から信用できないとか、傷付きたくないとか、そんなこと吹き飛んじゃって、気が付いたら相手の胸に飛び込んでいるっていうのが恋じゃないですか?」