社内恋愛なんて
「好きだ。ずっと、好きだった。

こんなこと言う資格ないって分かってる。

みあを諦めることが、俺が犯した罪の償いなんだって思って必死に忘れようとしてきた。

でも駄目だった。

みあが好きなんだ。

失ってから気付いた。

俺はみあじゃなきゃ駄目なんだ」


　守はとても必死だった。


苦しみが顔に滲み出ていた。


でも……。


「いいかげんにして！」


　私は思いっきり守の頬を平手打ちした。


「守は自分のことしか考えてない！　

私はようやく新しい恋ができて前に進もうとしてるんだよ。

どれだけ傷つければ気がすむの？　

私は幸せになっちゃいけないの？」


　涙が出そうになるのを必死で抑える。


こんなところで泣くわけにはいかない。


ましてや元彼の前でなんて、絶対に。


「……俺がみあを幸せにしたい」


　守も泣きそうな顔だった。


声が震えていて切迫感があった。


怒っていたけれど、一気にトーンダウンして、守から目を背けた。
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