社内恋愛なんて
でも、美奈子から同情する言葉を沢山浴びせられて、そんなに気にしていなかったことがどんどん気になり出してきた。


 家事も同じくらい手伝うのなら、何のために結婚するのか分からない。


男はストレスを抱えながら仕事をするのだから、女はそれを支えるべき。


仕事したいならパートで充分。


子供ができたらどうする気なのか。


これから男性はもっと仕事が忙しくなって責任も増えていくのに、家に帰って掃除や洗濯を手伝って、挙句の果てには奥さんの方が帰宅が遅い日もあるかもしれない。


家に帰って温かな美味しい手料理を作って労わるのが妻の役目なのに、みあはそれを放棄しようとしている。


 と、散々な言い方だった。


そこまで言わなくてもという思いはあったけれど、美奈子は仕事を辞めて家にいるから、そういう価値観なんだろうと思ったから、うんうんその通りだと同調していた。


それに、胸に突き刺さる言葉も多々あった。


俺の母親は専業主婦だったから、本当は結婚したら専業主婦になってほしかった。


子供ができて、学校から家に帰ってきたとき、お母さんがいないのは可哀そうに思えた。
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