社内恋愛なんて
酒のせいもあるのか、だんだんみあに対して不満が大きくなっていった。


不満が膨れるたび、罪悪感は薄れていった。


みあは好き勝手してるんだから、俺だって好きなようにしていいはずだと、今になって考えると何て自分勝手な思考に陥ってたんだと呆れる。


 俺はまだ、子供だった。


子供すぎた。


想像力の足りない自分勝手で甘えん坊な最低な男だった。


 泥酔したまま美奈子とホテルにいった。


真っ赤なシーツがテラテラと光っている、ゴージャスな造りのホテルだった。


イミテーションのシャンデリアが、ホテルの内装を逆に安っぽく見せている。


こんなところ、絶対みあとは来ない。


あんな風に強引に荒々しくみあを抱いたりはしない。


獣のように交わって、ただ互いの快楽を追及するセックス。


 それが、とても気持ち良くて、心も身体も解放された気分だった。


美奈子には、みあには見せられない甘えん坊で最低な俺を見せることができた。


みあには嫌われたくなかったから、いつもどこかで背伸びしていた。


包容力のある大人な男が好きだって知ってたから、甘えることができなかった。
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