社内恋愛なんて
元彼は同期
会社から歩いて１０分の居酒屋。


よくうちの社員が利用しているので融通が利く馴染みの店だ。


隠れ家的な外観で、創作料理が美味しく価格も良心的。


ゆっくり落ち着いた雰囲気で大人数が飲めるこの店は同期会にはぴったりだった。


　七時からスタートだったのにも関わらず、メンバーのほとんどが仕事を早く終わらせて店に到着していた。


今日来る予定の人数は２３人。


地方や海外に行っているメンバーや、工場技術に行っているメンバーも入れたら、実際の同期の人数は３００人以上いる。


けれど、本社に勤務しているのは３０人足らず。


最初は４０人以上いたのだけれど、転職や寿退社などでだんだん減っていった。


　７年も勤めていれば皆何かしらあるものだ。


残っている同期は戦友みたいなもので、他の社員よりも一種独特の特別なものを感じる。


だから皆、忙しい中にも関わらずこうして集まったんだと思う。
< 26 / 359 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop