社内恋愛なんて
険しい顔で、封筒から写真を取りだしテーブルに置いた。


すると美奈子は、不思議そうに写真を見て、そして驚いて声を上げた。


「やだ、何これ! 盗撮!? 気持ち悪い!」


 少し大げさとも思えるくらいの反応だった。


私は注意深く美奈子を観察する。


「美奈子は、写真撮られてたこと気付いてなかったの?」


「全然気付かなかった。この写真のこと、誠一郎も知ってるの?」


 部長の下の名前をサラリと口にしたので、水を飲もうとしていた手が止まる。


「……うん、知ってるよ」


「何て言ってた?」


 下から探るような鋭い目。


私はグラスを掴んで水をゴクリと飲み込んだ。


「仕事で美奈子と会ったって」


「それ、信じたの?」


 私は大きく深呼吸をして、美奈子の目をしっかりと見つめた。


「何が言いたいの?」


 私の睨むような眼差しと静かな怒りを含んだ物言いに、美奈子は少したじろいだ。

その後、意地の悪い笑みを浮かべた。
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