社内恋愛なんて
「私が結婚するって言った時、実は私も結婚するんだって言ったよね。

私の結婚祝いの場だったのに、二人の結婚お祝い会になったでしょ」


「うん」


「私が主役の場で、私の話を聞いてもらおうと思ったのに、みあの話が主体になった」


 え、まさかそんな理由で? 


思わず目をしばたたせた。


確かにあの日は、美奈子の結婚お祝い会が名目で集まった。


でも、大勢の人がいたならまだしも、二人だけの食事会だった。


美奈子から色々聞かれて守との馴れ初めを話したけれど、私ばかりが話していたわけではない。


それに、いつも美奈子ばかりが話していて、聞き役ばかりだった。


「しかも、相手は同期の華の守だっていうじゃない。

入社当時は私も守のことが好きだった。

それなのに、どうして地味なみあなのって思った。

それに、私はみあに自分の恋話をたくさんしてきたのに、守と付き合ってたことは隠されてた」


「ちょっと待って。

美奈子だって結婚が決まるまで、旦那さんと付き合ってたこと私に言ってなかったじゃない!」
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