社内恋愛なんて
泊まるっていっても、何も持ってきていない。


スキンケア用品はコンビニでなんとかなるにしても、下着もコンビニで済ませるのは嫌だった。


気心知れた仲なら、ありあわせの下着でもいいけれど、初めての夜にコンビニの下着はどうなんだろう。


 そんなことを考えていたら、話題が移ってしまい泊まると言い出せる雰囲気ではなくなってしまっていた。


勢いのまま部長の家に来たけれど、あまりにも考えなさすぎたかもしれない。


 部長ともっと近づきたいのにな……。


夕食を食べながら、悶々とした気持ちで部長を見つめた。


部長は私の作ったご飯をとても嬉しそうに食べていた。


 夕食を食べ終え、食器を片付けたら、本棚に映画のDVDが並べてあることに気が付いた。


何があるんだろうと興味深めに眺めると、古い名作映画が多かった。


その中で私がずっと観たいと思っていた映画があった。


あまりメジャーではないけれど、不朽の名作といわれているモノクロ洋画だ。

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