社内恋愛なんて
こんな風に思うことができたのは、目の前にいる彼のおかげ。


幸せにしてもらうことばかりじゃなく、幸せにしてあげたいと強く思う。


部長が部長らしくいられるように、ずっと穏やかに笑っていられるように、私も努力しなきゃ。


「誠一郎さん」


 呼びかけると、箸を止め、顔を上げて私の顔を見た。


「ん?」


 今の気持ちをなんて言葉で表現したらいいのだろう。


ありがとう? 幸せです?


 うーん、なんか違う。


胸の奥から溢れるような熱い想い。


自分の中で留めているだけじゃもったいない。


言葉にしないと伝わらない。


「好きです」


 唐突すぎたのか、部長は驚いた顔をしている。


けれどすぐに、はにかむような笑顔を見せて、私の目をまっすぐに見つめた。


「俺も好きだ。世界で一番、愛してる」
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