社内恋愛なんて
誠一郎さんが出張から帰ってきて一週間が過ぎた。


今、私は誠一郎さんの家に来ていて、大きなソファに寝転んで寛いでいる。


というのも、新卒採用の最終面接も終わり、大きな仕事はひとまず片付いたので、気が緩んでいるのだ。


とはいっても、これからまだまだやらなければいけないことは沢山あるんだけれども。


とにかく、一区切りついてほっとしているのだ。


「おい、なんだそのオットセイみたいな恰好は」


　二人分のコーヒーを運んできた誠一郎さんは、私の寝転んだ姿を見て笑って言った。


「オットセイとは失礼な。アザラシと言って」


「どっちも変わらないだろ」


　笑いながら的確に突っ込む誠一郎さん。


こんなだらしない姿を見せても、笑って許してくれるところが素敵。


　座り直してコーヒーを受け取ると、誠一郎さんもソファに座った。


「チャンネル変えていい？」と言って、リモコン操作する誠一郎さんの肩に寄りかかる。


ああ、幸せだなぁってつくづく思う。
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