社内恋愛なんて
「最近、掲示板の中傷ピタリと止まったね。

採用期間が終わったから、書いても意味ないと思ったのかな?」


「ああ、それは俺が直接ガツンと言ったからだよ」


 サラリと言われた言葉に、一瞬意味が分からなくてフリーズした。


「……えええっ!?」


 驚いて、もたれ掛かっていた姿勢を飛び起きるように正したので、あやうくコーヒーを零しそうになる。


「どど、どういうこと!?」


 びっくりしすぎて、どもってしまった私を尻目に、誠一郎さんは何でもないことのように淡々と話す。


「やっぱり犯人は斎藤だったよ」


「どうしてそれが分かったの!?」


 犯人が美奈子だったということより、判明した事実の方が驚いた。


「会社専属の弁護士に調べてもらった。

本来なら気にせずスルーして放っておくんだが、ある一文が俺を本気で怒らせた」


「ある一文?」


 書き込みは多数あって、どれも酷い内容だった。


どの内容が温和な誠一郎さんを怒らせたのだろう。


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