社内恋愛なんて
一年後
ーーー 1年後
私は今、誠一郎さんの車の助手席に座っている。
車は高速を走っていて、少し開けた窓からは潮の匂いがした。
外を見ると、壁の向こう側に青い海が見えてきた。
「誠一郎さん、海!」
はしゃいだ様子で言う私に、にこやかな笑顔を向ける。
「本当だ、綺麗だな」
私たちはお互いの両親に挨拶に行くために車で帰省していた。
無事に結婚の挨拶を終えて、緊張感から解放された私は、帰りの車内で浮かれたように喋りまくっていた。
「あー、海で泳ぎたい。やっぱり新婚旅行はハワイかな」
「この前ヨーロッパに行きたいって言ってなかったか?」
「そうなんだよね、ヨーロッパも行きたいんだよね」
「どっちも行くか?」
さらりと口にされた言葉に、私は我に返って首をぶんぶん振る。
「大丈夫! 旅行に行けるだけで充分だから!」
誠一郎さんはとても優しくて私の希望を何でも叶えようとしてくれる。
甘えたら、限りなく甘やかされそうで、それじゃいけないと思って自ら律している。
私は今、誠一郎さんの車の助手席に座っている。
車は高速を走っていて、少し開けた窓からは潮の匂いがした。
外を見ると、壁の向こう側に青い海が見えてきた。
「誠一郎さん、海!」
はしゃいだ様子で言う私に、にこやかな笑顔を向ける。
「本当だ、綺麗だな」
私たちはお互いの両親に挨拶に行くために車で帰省していた。
無事に結婚の挨拶を終えて、緊張感から解放された私は、帰りの車内で浮かれたように喋りまくっていた。
「あー、海で泳ぎたい。やっぱり新婚旅行はハワイかな」
「この前ヨーロッパに行きたいって言ってなかったか?」
「そうなんだよね、ヨーロッパも行きたいんだよね」
「どっちも行くか?」
さらりと口にされた言葉に、私は我に返って首をぶんぶん振る。
「大丈夫! 旅行に行けるだけで充分だから!」
誠一郎さんはとても優しくて私の希望を何でも叶えようとしてくれる。
甘えたら、限りなく甘やかされそうで、それじゃいけないと思って自ら律している。