社内恋愛なんて
「今週が駄目なら、来週でもいいんだ。仕事以外で、会いたいんだ」


 鼓動が高鳴る。


これって、もしかして、デートのお誘い?


「あ……えっと……」


 今週も来週も空いている。


基本、大した用事なんてない。


いつでも変更可能な用事ばかりだ。


だから、すぐにでも了承の返事をしたいところだけど……。


でも……。


「ごめんなさい……」


「忙しいなら、来月でも……」


「ごめんなさいっ!」


 部長の言葉を遮って、私は大きな声で謝った。


最初、部長は驚いた顔をしていた。


けれど、すぐに私の意図を汲んでくれたようだった。


忙しいから断ったのではないことを。


「そうか、分かった」
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