゚+* ベルガモスレッド *+゚
そう思いながら、その本を少し奥におす。



いつもなら秘密の扉が開くのに、

今日は開かない。



「その場所も俺たちにはもう、

いらなくなったってことだな。」



そう言って本を持っている私の手の上に

手を重ねてくる。



「またいつか、この本を見つけた人が

素敵な恋に巡りあえたらいーね。」


「そうだな。」



そう言って見つめあってほほえむ。



「じゃ、帰ろっか。」


「うん。」



そう言われ、陽くんに手をにぎられる。


そして、私たちはその場をあとにする。


もうここにも来ることはないんだろう。



次あの本を見るときは、私たちにも歴史の本にしか


見えなっているのかもしれない。












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