モノクロ 〜真実の剣と偽りの盾〜
心配するような表情で、私を見ている。
「なに?!どうしたの?楓ちゃん?」
「あっ、何でも…ないよ?あたし、眠たいからちょっと寝るね。悪いんだけど、駅に着いたら起こして…」
言い終わらないうちから目を瞑ってしまった。
楓ちゃんらしいな。
…今日、楓ちゃんに嘘をついてしまった。
行きの電車で、『今日は何買うの?』と聞かれ、“夏休みにいとことキャンプに行くから、その時に着ていく服を買いに行く”と答えた。
“いとこ”と。
もし、この時本当の事を言おうものならば…。
どうなっていただろう。
きっと、理由を説明しても聞く耳を持たなかっただろうし、『ずるい』『あたしの気持ち知ってながら!』『もう絶交』などと、人目をはばからずに叫んでいたと思う。
何故なら…
楓ちゃんは、光太くんのことが好きだから。
前に、『あたしが光太くんのことを想わなかったときなんて一秒だってないんだから!』と、自分で言っていた。
そんな状態の時に、私と光太くんが幼なじみだなんて知られたら…
はっきり言って、私はあまり光太くんのことが好きではない。
恋愛的にではなく、友達的にだ。
小さい頃は、光太くんにしょっちゅうスカートをめくられて泣いていた。
けれど、私は光太くんを嫌いになれなかった。
その頃の光太くんが、言いようがないくらいのイケメンだったからだ。
今思うと実は私もイケメン主義だったのかと情けない気持ちになるが、その時の私は本当に、将来光太くんと結婚したいと本気で思っていた。
「なに?!どうしたの?楓ちゃん?」
「あっ、何でも…ないよ?あたし、眠たいからちょっと寝るね。悪いんだけど、駅に着いたら起こして…」
言い終わらないうちから目を瞑ってしまった。
楓ちゃんらしいな。
…今日、楓ちゃんに嘘をついてしまった。
行きの電車で、『今日は何買うの?』と聞かれ、“夏休みにいとことキャンプに行くから、その時に着ていく服を買いに行く”と答えた。
“いとこ”と。
もし、この時本当の事を言おうものならば…。
どうなっていただろう。
きっと、理由を説明しても聞く耳を持たなかっただろうし、『ずるい』『あたしの気持ち知ってながら!』『もう絶交』などと、人目をはばからずに叫んでいたと思う。
何故なら…
楓ちゃんは、光太くんのことが好きだから。
前に、『あたしが光太くんのことを想わなかったときなんて一秒だってないんだから!』と、自分で言っていた。
そんな状態の時に、私と光太くんが幼なじみだなんて知られたら…
はっきり言って、私はあまり光太くんのことが好きではない。
恋愛的にではなく、友達的にだ。
小さい頃は、光太くんにしょっちゅうスカートをめくられて泣いていた。
けれど、私は光太くんを嫌いになれなかった。
その頃の光太くんが、言いようがないくらいのイケメンだったからだ。
今思うと実は私もイケメン主義だったのかと情けない気持ちになるが、その時の私は本当に、将来光太くんと結婚したいと本気で思っていた。