モノクロ 〜真実の剣と偽りの盾〜
友花side

「おはようございます…」

はあ、今日も1番乗りか…。
また廊下の掃除しなきゃいけないな。

正直言って面倒だけど、学級委員だしそれくらいしないと女子にハブられる…。
まあ考え事でもしながら気楽に…。

考え事!!そうだ、昨日大変だったんだ~。
寝起きで忘れてたけど、今日楓ちゃんに会ったらなんて言おう。

でもその前に、ほうきほうきーっと…。
…あれ?ほうきがない!いつもは廊下に立てかけてあるハズだけど、なくなってる!!
どこいったんだろ…。

あたりを見回すと、誰かと目が合った。
ちょっと引き気味に見てみると、……光太くんだ。

昨日の誤解の原因!

は!私 今嫌な顔していなかっただろうか。
心配だな…。

目が合ったままで気まずい雰囲気。
相手も昨日のことを意識しているのだろうか。
どうしよう…みたいな顔をしている。

とりあえず、ここは私から一声掛けよう。
勇気を振り絞り、

「おはよう」

と言ったつもりが、実際のところ

「おおおおはよよう」

になっていたらしい。
相手も少し顔が緩んだ。

と、その時!

「スキアリーッ!!」

クラスの男子が飛び込んできた。
そして、光太くんの顔にいきなりパンチ。


「イッテェー!!」

私だったらその場に疼くまってしまうと思うが、男子はこんなこと日常茶飯事らしい。

もう何事もなかったかのように歩きだしている。

結局掃除するのは私か…。
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