モノクロ 〜真実の剣と偽りの盾〜

16:30

友花side

楓ちゃんの家に近づくにつれて、足が重くなっていく。
でも、これは自分で選んだ道だ。あと5分といったところか。

行く途中、私の家の近くにある洋菓子店に寄り、“自称”お詫びの品を買った。
自称、というのは、いつも私は 楓ちゃんの家に遊びに行くときは、何かしらお菓子を持って行っていたからだ。

あちらにすれば、いつもと変わらないものを持ってきた、くらいだろうが、こちらは気の持ちようが違うのだ。


気の持ちようが。



そんなことを思っているうちに、楓ちゃんの住むアパートに着いた。
玄関のドアの前のに立つ。

「ピンポーン!」

ゆっくりとインターホンを押すが、今の私の気持ちとは裏腹に、大きな音で張り切ったように鳴る。


「……なに?」

楓ちゃんの声。なんだか迷惑そうな、でも待っていたかのような、声。

「ちょっと用があるから、外に出て来てほしいの。」

出来るだけ優しく言う。


「…………」

楓ちゃんが出てきた。

お互い、無言のまま。


「………で?…何?」

ここでやっと、楓ちゃんが口を開いた。
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