デイ ドリーム - 儚く甘いゆめ -
『ひより!!!!ひよりぃ!!!!』
枯れた声で自分の名前を呼ぶ、愛しい人。
あのときはひよりと彼氏である湊、その親友の相馬と海に来ていた。
ひよりは泳ぐことがあまり得意ではなかったので、ただうきわに掴まって海の上をぷかぷかと漂っていたのだ。
しかし、突然空が暗くなり、あっという間に雨が降ってきてすぐに痛いほどの土砂降りへと変わった。
海面は激しくゆらめき、波は荒々しく打ち付ける。
体が硬直した。
天気が急変してしまったこともそうだが、自分は今、砂浜からとおくとおく離れたところにいたのだ。
焦りがジリジリと胸を掻き立てる。
どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう。
ぐるぐると同じことを考えている間にも、波は荒れ激しい風が吹きはじめた。
ひよりは必死にうきわにしがみつき、なんとか振り落とされないようにと力をこめる。
しかし波の勢いで何度も何度も手を離してしまいそうになった。
「あぶっ……うっ……ふっ……あっ…」
必死に水面から顔をだし、波に打たれながらも必死に呼吸をする。
それでも自然の力は容赦をしなかった。
いままでにないほどの大きな大きな波がやってきて。
それはあっという間にひよりがしがみついていたうきわを奪い去ってしまったのだ。
もう、だめだ……。
ついにひよりは死を覚悟した。
うきわなしでこの海をさまよい生き延びるのはどう考えても不可能だ。
わたしはこのままここで死んでしまうのか。
ああ…ひとりで沖に出るんじゃなかったな。
湊くんも相馬くんも、心配してるよね。
ごめん、なさい…。
薄れていく意識と沈んでいく体。
その中で愛しい彼の声を聞いた。
「ひよりぃぃぃいッ!!!」
―――みなと、くん…?
これが最後だった。
ひよりが目覚めたとき。
彼は醒めることのないふかいふかい眠りについてしまっていた。
枯れた声で自分の名前を呼ぶ、愛しい人。
あのときはひよりと彼氏である湊、その親友の相馬と海に来ていた。
ひよりは泳ぐことがあまり得意ではなかったので、ただうきわに掴まって海の上をぷかぷかと漂っていたのだ。
しかし、突然空が暗くなり、あっという間に雨が降ってきてすぐに痛いほどの土砂降りへと変わった。
海面は激しくゆらめき、波は荒々しく打ち付ける。
体が硬直した。
天気が急変してしまったこともそうだが、自分は今、砂浜からとおくとおく離れたところにいたのだ。
焦りがジリジリと胸を掻き立てる。
どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう。
ぐるぐると同じことを考えている間にも、波は荒れ激しい風が吹きはじめた。
ひよりは必死にうきわにしがみつき、なんとか振り落とされないようにと力をこめる。
しかし波の勢いで何度も何度も手を離してしまいそうになった。
「あぶっ……うっ……ふっ……あっ…」
必死に水面から顔をだし、波に打たれながらも必死に呼吸をする。
それでも自然の力は容赦をしなかった。
いままでにないほどの大きな大きな波がやってきて。
それはあっという間にひよりがしがみついていたうきわを奪い去ってしまったのだ。
もう、だめだ……。
ついにひよりは死を覚悟した。
うきわなしでこの海をさまよい生き延びるのはどう考えても不可能だ。
わたしはこのままここで死んでしまうのか。
ああ…ひとりで沖に出るんじゃなかったな。
湊くんも相馬くんも、心配してるよね。
ごめん、なさい…。
薄れていく意識と沈んでいく体。
その中で愛しい彼の声を聞いた。
「ひよりぃぃぃいッ!!!」
―――みなと、くん…?
これが最後だった。
ひよりが目覚めたとき。
彼は醒めることのないふかいふかい眠りについてしまっていた。