デイ ドリーム - 儚く甘いゆめ -
一生思い出すまいと閉じ込めていた記憶。



だけど思い出してしまった。



鍵を開けてしまった。






途端におそいくる激しい後悔と悲しみ。



胸が引き裂かれて、背中が重くなって何かに押しつぶされそうになる。



バキバキと骨が折れていく音が聞こえて来た気がした。


それくらいおそってきた感情はおおきなものだった。









ごめんなさい。


ごめんなさい。


ごめんなさい。








わたしが溺れなければ、あの日ひとりで海に出なければ、わたしが早く砂浜に戻っていれば。




数えきれないほどの後悔が心を蝕み、次第に頭の中を濁らせていく。






「ひ、ひより…?」






この友人の声が引き金となったかのように、ひよりは泣き始めた。



人目もはばからず、子供のようにおおきな声を上げながら。



のどが引き裂かれてしまいそうなほどのおおきな声に周りはぎょっとした。











しかし、それでも彼女の泣き声が止むことはなかった。
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