奥様のお仕事
二人で買い物に来るのは初めてだった。
美由紀さんとたまにランチするこのショッピングセンター


もう見慣れたはずなのに
浩一郎と一緒だと全然また違う景色に見える。


ツリーはいろんなショップで売られているけど
あまり浩一郎の気に入るものがないようだった。


「マリンは島では飾ったことないんだろ?」


「うん!!」


店の中央に飾られた大きなツリーが圧巻で
いつも立ち止ってしまう。


「こんな大きなのは無理だな」


「無理だよ~~~浩一郎の実家なら飾れそうだけど」


「そうだ……正月は行くぞ」


「え?」


「またまた大変な思いするけど
マリンらしく頑張ってくれ」


「え~~~~~」


浩一郎が笑った。

「悪いな~~これから 盆と正月はマリンの敵と
相対することになるから」


「ん~~~~」


一気にブルーに陥った。


「マリンの思うように 喧嘩してもいいぞ~~
楽しみだな~~~」


「ん~~~~」


プシュッ!!!

私の膨らんでいた頬を 浩一郎が指で押して音が出た。


「ククク・・・・・今さ ここが部屋だったら
たまらなくなって 抱きしめてたな~危険危険~~~」


「え~~~~」
どういう意味にとられたか 
残念ってことだよ 部屋だったらよかったのに・・・・・・。
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