奥様のお仕事
最後のショップで見た 電飾の綺麗なツリーを買った。


「お部屋暗くして 夜景と一緒に見たら
絶対綺麗だからこれでいいよ」

なかなか決まらずで最後は私の押しで決めた。


「マリンが気に入ったならいいよ」


「うんすごい楽しみ 帰ったら点灯しなきゃ」


二人一緒に見るんだ。
暗い部屋に 輝くこのツリーを見て・・・・・


綺麗だね


うん すごく綺麗・・・・・・


でも マリンの方が綺麗だ・・・・・


だな~~~んて 妄想にふけっていると



「こう……浩一郎?」


浩一郎が立ち止った。


「ナツ・・・・・・」



固まった浩一郎を見てから その視線の先に目をやる。



すごい綺麗な人が立っていた。
それも 大人の女・・・・・・・・・


真っ赤なパンプス
こんな冬道に よく歩けるなって・・・・・・・・



不自然な時の流れに 私の胸はざわめいた。



その人の視線がゆっくり私の方へ向いた。


「彼女?ずいぶん無理してない?」


は?無理ってどういう意味?


「いいや~全然」
浩一郎がいつもの穏やかな笑顔で私を見る。


「だってすごく若くて可愛らしいから」


何か この女 イヤな感じなんですけど!!!
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