奥様のお仕事
「彼女じゃなくて 奥さんだよ」


「え!!!!」ものすごい大きな声に驚いた。


「やだ~~大きな声だしちゃって」
その女は慌てて口を押えた。


「もう遅いだろ」
浩一郎が爆笑した。


「おまえは 変わらないな~~~」



「ちょっとちょっと 何?奥さんなの?」

二人のやりとりのテンポの良さに私はすっかり
部外者になっている。


「マリンです」
慌てて 挨拶をした。


「名前もまた 最近の若い子って感じ」



何?コイツ 
おまえは 何者だ 名を名乗れ!!!




「あ 挨拶が遅れてしまって」


長い髪の毛をかき上げるしぐさが すごく挑戦的に感じる。


「室田 夏絵 です
彼の・・・・・・元カノ・・・・・」


はぁ???????


「おいおい 普通はそういう挨拶しないぞ」
さすがの浩一郎も少し焦ってる。


「大丈夫もうずいぶん前のむか~~~しの女だから」



「おまえはほんと 変わらないな」



「後で 可愛い奥さんにいろいろ勘ぐられる前に
教えてあげた方が気持ちいいでしょ?」



気持ちよくねーよ!!!おばさん!!!

私の中のキャラが覚醒した。
浩一郎は 少し戸惑っているように感じた。
< 109 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop