奥様のお仕事
「それで こっちに戻ってきたのか?」


「テレビ見てないの?
もう浩一郎のお目には止まったと思ったけど」


「マジで?こっち転勤?」


「そ 朝のニュース見てないの?」


「悪い 俺 朝はラジオ派だから」


この人たち何の話してんだか・・・・・


「まさか こんな若い奥さんがいるなんてビックリだわ
よくあの チーム長谷が許したわね」



「チーム長谷?」
思わず聞きかえしてしまった。


「いい奥さんだから大歓迎だったよ」
浩一郎が笑いながら言った。



「ほんとに?すごい!!!尊敬するわ 奥さん」


何が言いたいのか・・・・・・
私がこんなに腹が立っているというのは
お仕事上ありえないことだから必死に笑顔を作る。


「私たちだってあのチーム長谷に潰されたんだから」


「ナツ・・・もうそう言う話はいいよね」
浩一郎が 言うと
慌てたようにして 

「ごめんなさい ついつい話がすぎちゃって
これ 一応名刺なの」


小さなケースから名刺を差し出す。


「ごめん 俺はオフだから持ってきてないや」


「それってもう関わりたくないってこと?」


「ほんとその強気なとこも変わってない」
呆れた顔で浩一郎が呟いた。
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