奥様のお仕事

「きっとマリンの性格なら　歩み寄れるよ
うまくやってくれるって」


「自信ないけど」


「そこクリアしたら　臨時ボーナスだな～」


「何だかお金換算されるのも・・・・・・」


「え？評価された一番の喜びだろ？」


ああ　そうだった
これは　あくまでも　仕事だから


「何だか悪いなとか思って」

上手い言葉の返しができなくて慌てると
浩一郎が

小首を傾げて私を見ていた。


「いえ　うんうん
クリアしたらすっごいボーナス下さいね」


「すっごいかどうかはわからないけど
貯金しておきなさい。後で独立する時
絶対に必要だから」

独立か・・・・・・・・


いつかこの仕事に私が必要なくなる時が来る
それはいったい　いつで
どうなったら　終わるんだろうか・・・・・・


夢から覚めてしまうその瞬間が怖い・・・・・


「どうなったらこの仕事は終わるの？」
恐る恐る尋ねてみた。
じゃないと心の準備もなく


突然


「明日からもういいよ
お金も貯まっただろう　部屋を探しなさい」


なんて冷たい顔で言われちゃう・・・・・・。


せめて　もうすぐ終わるんだって
心だけでも覚悟しておきたいから・・・・・。