奥様のお仕事
「そ……そんなこと………」

ドキン ドキン ドキン


「これって奥さんの仕事の一つだよね」


「そうかもしれないけど・・・・・」


「今 すごくそうしてもらいたい感じ」


私だって 私だって
言葉を返す前に 行動が先に出た。


浩一郎の腰を掴んで 背伸びをして
要望通りに頬に チュッ としてあげた。



顔を離して 恥ずかしさに目をそらすと


「サンキュー クリスマスプレゼントだな」


「え?これでいいの?」
思わず聞きかえした。


「職権乱用だったな 反省 反省」


反省なんかしなくていいよ・・・・・
胸がキュンキュンしてる



本当の夫婦みたい・・・・・・・・・。


「たまにいいよ」



「ん?」
浩一郎が靴を履いた。


「職権乱用・・・・・雇い主さんの要望
たまには 受け入れるから」
私は なるべく 恥ずかしがらずに 堂々と口にした。


また したい
そう言ってる私 だけど 
それを 浩一郎にだけは 知られたくないから
思いっきり 事務的に言ってみた。


「いつも お世話になってるから
たまには お返ししなくっちゃ」


思いっきり 上から目線で 言ってみた。



< 123 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop