奥様のお仕事
「キャッ」

私の体はすっぽりと 浩一郎の体に抱きしめられていた。

「ごめんな 一人でイヤな思いしただろう
美輝から連絡くるたびに もう落ち着かなかった」


ドキン ドキン

浩一郎を想う 心臓の動きはさっきの 緊張感とは全く違う


「一杯 口答えしちゃった
おじいさん 怒らせちゃったもん」


「いいよいいよ
マリンの言ってること間違ってないし」


コロンの香りとお酒の匂いがした。


「よく頑張ってくれたね ありがとう
心細かっただろう」


その優しい言葉にまた涙が出てきた。


「ウッ・・・・ウウウ・・・・」


浩一郎の手が私の髪の毛を滑り落ちる。


「髪型すごくいいよ
少し大人っぽくなってドキッとした」


気が付いてくれてたんだ・・・・・
私は違うことに夢中ですっかり忘れてた。


「マリン・・・・来年もよろしくな」


「来年・・・後どのくらいある?」


「それは 未定だけど・・・・・・」



やだ ずっとずっとこのまま一緒に 新しい年を迎えたい



「いい年にしような」


私の本当の気持ち 知ったら浩一郎はもう
こんなに優しくしてくれないんだろうか・・・・・・。
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