奥様のお仕事
話し声がして 目が覚めた。


「おまえも共犯者だな」


「かあさん金くれたから 俺 今
めっちゃ金欲しいし・・・・それにさ お嫁ちゃん
ずっとあそこに居たら気の毒だっただろ」


「磯貝のお嬢様も来たし・・・・それにさ・・・
五月さんも来ただろ」

五月という名前を聞いて心臓がドキドキした。


「五月さん?来たけどどうした?」


「コウくん 俺知ってんだよ
五月さんと・・・・関係あったの・・・・・」


しばらく 無言の時間が続いた。

「やっぱりな~だと思った」


「思ったとか 何で?シンがそんなこと
感じる年じゃなかっただろ?」


「俺は勉強もピアノもダメだったけどそういう
空気を感じる力があるんだ。
あの頃は違和感だったけど 年頃になったらわかったよ
コウくんと五月さんが好き同志だったって」


「おい 変なこと言うなよ」


「五月さん コウくんのことすごく
熱い目で追ってたよね。年の差があったし
ま できてたとしても 家では絶対にありえない
反対に 五月さん訴えられちゃうもん」


「想像力逞しいな」
少し慌ててるのは 私でもわかる。


「あんまり幸せそうじゃなかったけど・・・・・」
伸二郎の言葉が気にかかった。
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