奥様のお仕事
熱が出た。
せっかくの お正月休みだったのに
熱はすごく高くて

「救急外来行こうか?」


「ううん 外行かない 寒いもん
ここ寒くてもう外行きたくないもん」


わがままを言ってしまうのは
いろんな嫉妬を浩一郎にぶつけているから。


「風邪移ったら大変だから 向こうで寝てね」
息苦しくて 話すたびに息があがってしまう。
それに夢うつつで 起きてるんだか 起きてないんだか

よくわからないときがある。


「大丈夫だよ マスクしたし
汗かいてるな……パジャマ取り替えようか」


「ううん いい……」

とっても着替える元気もないし 裸になるのは寒いし


「だけど着替えないと 余計寒いぞ」


いいよ……大丈夫 ほっといて……
うつら うつら としていると


「パジャマ温めてきたから 着替えるぞ」


もう浩一郎に体を預けるしかない・・・・。
多分 恥ずかしいことになっているんだろうけど
もうそれを 照れたり隠したりは できないくらい
体がだるくて仕方がない。

「ほら 手出して」


されるがままに もう浩一郎の言う通りに

「寒いよ」


「はいはい お姫様」


虚ろな頭でもね 好きってずっと言ってるんだよ・・・・・。
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