奥様のお仕事
お仕事内容
黒い車のそばに行くと 運転席からスーツの男性が
降りてきて 浩一郎と私のスーツケースを
車に積んでくれた。

「ありがとうございます」

頭を下げると
その人は ニッコリ笑顔で

「はじめまして わたくし 佐伯と言います」

挨拶をしてくれた。


「あ 私・・・・・」
慌てて挨拶をしようとすると


「マリンだよ これからよろしく頼むね」
浩一郎が 私が挨拶する前に 名前を言ってしまった。


「マリンです よろしくお願いします」


「噂通り綺麗なお嬢様ですね」


「そんな綺麗だなんて」
恥ずかしくて慌てる。


それに お嬢様だなんて・・・・・・・・・


ん?噂?って・・・・・・


「風邪ひくよ 早く乗りなさい」


浩一郎に背中を押されて 車に乗り込んだ。


バックミラーに映る佐伯さんと 何度か目が合った。
そのたびに 笑顔で会釈してくれる。


じいちゃん みんないい人そうだよ・・・・・。
五時を過ぎたばかりでもう外は真っ暗だった。
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