奥様のお仕事
「今日はお互い夕飯作りだね~」

佐伯さんの仕事は 浩一郎と一緒に動くことが多いので

「申し訳ないね 浩一郎忙しいから」

「いいのよ 佐伯は 一番は専務さん 二番に私だから
専務さんなら許すわ」


今晩の夕飯のメニューを考える。

「明日はフリーだから 今晩はしっかり
子作りに頑張らなくちゃ」


一瞬想像すると

「やだ 想像しないでよ~」
美由紀さんが爆笑した。


「マリンちゃんもでしょ?」


コーヒーを吹き出しそうになった。


「ウチはそんな」


「想像すると綺麗だわ あはは~」


「ダメ 想像しちゃ」


だって 私たちの間には想像されることもない
私だって想像しないようにしてるのに


「佐伯からだわ」

メールに気づき 美由紀さんがスマホを出した。


「おっと 今日は珍しく定時上がりだって~~
専務さんも早そうよ。
こうしてはいられない 買いものしなくっちゃ」


定時上りと言うことは 六時までには帰ってくる。
早く会いたい
そして 独り占めしたい・・・・・・。


体を重ねることがなくても
言葉を交わして少しでも近づける時間が
私の宝物だから・・・・・・・・・。
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