奥様のお仕事
気晴らしに ウィンドショッピングに出かける。
銀行に行って記帳もしがてら
家に閉じこもってばかりいても頭が変になりそうで


久々にオシャレをして 地下鉄駅まで
転ばないように集中して歩いた。

「疲れた」

歩きづらいこの つるつる路面
クリスマスの時 浩一郎にすがって歩いたあの日は
最高に幸せだったのに


銀行で記帳をして驚いた。

「わ すごい」

全く使うこともないから 貯まっていた。
臨時ボーナスも入ってる。


私の中ではいつしか仕事じゃなくなったこの仕事
恋する気持ちがお金に換算されているようで
複雑な気持ちになる。


好きになるからよ・・・・・・
仕事だって割り切ってたら
もっと給料欲しいとか 貪欲になれるのに


通帳に印字された数字は 私の想い・・・・・・。


好きなものを買っていいと
クレジットカードを持たせてくれたけど
ほとんど自分のものは買ってなかった。

先に用意してもらったもので十分だったし
欲しいと思うものもない。


結局何も手にしないまま いたずらに時間だけをつぶしてる。


「こんにちは」

肩を叩かれて振り返ると 夏絵が微笑んでいた。
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