奥様のお仕事
一緒にまた露天風呂に入った。 

「ぎゃ~~冷たい 痛い~~~」

横殴りの雪に 浩一郎に避難する。


「これは過酷だな~降りすぎだよ」


「キャ~痛い~~~」


痛いけど 冷たいけど
浩一郎と一緒なら全然辛くない。


どさくさにまぎれて しがみつくと


「マリンは無邪気だな・・・・・・」


少し困惑した顔をした。


「ん?」


「裸だろ?」



「キャ~~」


「キャ~~ってさ 俺が悪いんじゃないからな」


無邪気なフリして抱きついたんだよ。
私を女だって 認識して欲しくて・・・・・・


こんなに無防備な姿で 肌が触れ合っているのに
私に欲情しない浩一郎は 


やっぱりすごい人なんだと思った。



愛してる人しか 抱かない



だから 私は対象じゃないんだよね・・・・・・・。
男なんて欲望に任せて いろんな女を抱ける動物だって言うけど
浩一郎は絶対そんな人じゃないって


わかってるから・・・・・・。


浩一郎が抱くのは 五月さんだけ・・・・・・。
姑息に私が誘惑したって 私の体を見たって
浩一郎は絶対に指一本触れたりしなかったものね・・・・。


そんな浩一郎が 悲しいけど やっぱり好き・・・・・。
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