奥様のお仕事
布団に入って 枕元の明かりだけになった。

「楽しかった ありがとう」


「俺の方が楽しかったよ
一日無駄にしちゃったけど・・・・・」


「ううん。
だから今日はたくさんわがまま言えた
写真一杯撮ったし」


「そんなわがままなら いつでも聞くよ」


「ね 寝るまで手つないでて」



「手?いいよ」
浩一郎が優しく笑ってくれた。


布団から手を出して 浩一郎の手を握る。


「フフフ」


「ん?」


「何かとっても幸せな気分」


「そうか よかった」


「あのね あと一つだけ わがまま聞いて欲しいんだけど」


「何?」


「それは……違う日に持ち越していいかな」


「わがまま有効は今日までだけど?」


「持ち越すのもわがままなの」


「わかったよ~~水曜日から大阪に出張だから
忘れないうちに言ってくれよ」


「はい」

忘れないうちに・・・・・
とってもその顔を見て 言うことはできないんだもん。


お仕事 辞めさせてください・・・・
もう無理です 辛いんです・・・・・


穏やかで優しい顔見てたら また
守って欲しくなるから・・・・・・・。


最後のわがまま実行日は 大阪出張の間にするね・・・・・。
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