奥様のお仕事
私はちゃんと お仕事できてたのかな・・・・。
浩一郎からの総評を聞かずに出てきてしまったけど


本当はたくさん褒めてほしかったな。
でも

私に真実を伝える浩一郎が苦しむのは辛すぎるから

「逃げたんだよね 結局ね」

遠くへ・・・・・・
遠くへ・・・・・・


浩一郎を忘れられるように 遠くへ


春から夏へ


浩一郎が言ってた 四季を私は一人で感じてる。


「今日の宿泊客は・・・・」

桜の季節が終わって少しだけ仕事が楽になった。


「マリ坊 ここの味付けもう少し強い方がいいぞ」


「はい お塩ですかね」


旅館ので働かせてもらっている。
六畳一間の住み込みもできて 私には最高な環境。


身元引受人がいなくてどこも雇ってもらえなくて
やっぱり一人で生きていくのって 難しいと痛感
私には何もないから 部屋も借りれなかった。


夜の仕事へとも考えされられたけど
それだけはできなかった。


住み込み旅館

「なんでもやりますから」
畳に頭をこすりつけて 支配人にお願いした。
身元や外人だと思われてまた断られるのは 覚悟したけど
少し待たされて 採用が決まった。



大好きな料理を手伝わせてもらったり
美しい四季の風景を見ながら仕事後に入る温泉

やっと安住の地を見つけられた。

< 245 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop