奥様のお仕事
支配人の車は なつかしいあの街の中へ

「オーナーって札幌の人なんですか?」


「今日はこっちで旅行会社の人たちと
俺たちも打ち合わせがあるんだよ」


「そうですか・・・・」
表情が暗くなったのは 支配人にもわかったらしく


「何?札幌に住んでたことあるのかい?」


「まぁ・・・少しだけ・・・・・」


「南国 北国 両極端だな」
支配人の言葉に 吹き出した。


この街に来たからって 浩一郎に会えるなんて
奇跡にしか過ぎないし・・・・・・


大きなホテルの駐車場
たたずまいは 見覚えのある あの初めての夜を過ごした


私への嫌がらせかしら・・・・


二階 会議室  北国旅行会社様


「もう 会議始まってるんですか?」


「いや まだ 先にオーナーに会った方がいいからね」


「支配人何時ごろ 旅館に戻られます?」


「会議が六時には終わるから」


「六時ですか・・・・それまで時間つぶさなきゃですね」


「若いんだからたまに ウインドショッピングしたらいいよ
時間なんか足りないくらいじゃないの?」


「あまり興味はないんですけど
わかりました オーナーとお話し終わったら 六時にここに
戻りますね」


時間長いよ・・・・・この街をウロウロしたくないんだけど・・・・。
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